2019年10月10日

『この山、死亡者多発につき魅力あり・・・?』

仮にあなたが今、『登山』に興味があったとする。
そしてとある山に登ってみようかな?と考えてその山について調べた時、
例えばこんな紹介文が飛び出したとしたら、あなたは何を思うだろうか

『たしかにこの山は四季折々の魅力があり、そして今、登山が流行っていますが、
そうしたブームに乗っかったヒトの中から、滑落死や遭難死してしまった方が後を絶ちません・・・』
『それでもあなたは、敢えてこの山に登りますか?まさか自分だけは例外だと思ってませんか』
『そもそもなぜ山に向かうんですか?レジャーなんて他にも色々あるのに、どうしても山じゃなきゃダメなんですか?なぜ』

…なんて具合にレビューされていたら、あなたはどう思うだろうか?

image026.jpg(カニの横ばい:剱岳)



ビギナーズであれば、間違いなく【ドン引き】するハズ。
探せば他にもたくさん“山”はある。
こんな、見るからに怪しい所に敢えて挑むか?むしろ願い下げだろう。

すると何が起こるか。
まず、自分のアタマで判断できないヒト(こういった情報を精査せずに鵜呑みにしてしまう人)を排除できる。
それだけで山で起きていたであろう事故が大きく減ることだろう。

あるいは、興味本位の物見遊山な登山客が寄り付かなくなり、
昨今のタピオカの流行り廃りが見せてくれたゴミの廃棄や景観破壊が防げる
ここでいえば自然が守られるであろう。

そして、こういったネガティブキャンペーンが繰り広げられたとしても、この山に登ろうとするヒトはゼロにはならない。
その情報が事実か否かを自身で判断できるヒト
それが仮に事実だとして、その上でも予測される問題に対処(準備)して入山出来るヒト
そういったヒトによってある意味登山の秩序は保たれているのではないかと愚考する
(もちろん、中には危険は承知ながらも、どうしてもそこに向かわなければならない“動機”があるヒトや、
事の真偽は自分の目で確かめなければ気が済まないヒトも入山してしまうから、
これだけで予期せぬ事故をゼロにすることはできないが、、)

と、ここまでが前置き。
実は、我々が最近まで行ってきた求人のコピーがまさに冒頭の様なテイストだった。
調剤事務について、あるいは医療業界全体について、
たとえ事実でも誰も触れたがらない暗部を敢えてさらした上で、

『それでもあなたは調剤事務を志望しますか』

・・・と、呼びかけていた。
もちろん、そんな不気味な求人文でヒトが集まろうわけがない(笑)

しかし、継続は力なりといったもので、
そんな奇行もしばらく続けていくと、低確率、いや極低確率ながらもこれらの障壁を乗り越えたヒトがやってくることがあった。
そのヒト達に大体共通して言える事は、多少の逆境をモノともしないタフネスさを備えていることかな。

どんな達人だって、そこに至るまで諦めなかったタフさがあったからそこに至れるのであって、途中で挫折してたら何にもなれない、、
つまり人間、一事が万事ってくらいに重要なのはタフネス
そう、思いませんか?

しかしこの方式にも難点がある。
もちろんそれは確率。
ウチはこんな小さな、名も知れぬ薬局だ。
さらにそこには「この山、死者多発につき登山注意せよ」と看板が立ててあったら、、
それはもう躊躇するでしょうw
それこそ年に何人応募があるか、というレベル

そしてどんなにもったいぶって見せたって、そこにいるのはあくまでも“普通”の働き手だ。
だから突然の一身上の都合とか、【おめでたいこと】も起こりうるわけで
その時には急ぎ、人手が欲しくなる

そういう時にも、この怪しげな看板を立てたままの姿勢を変えず、
いつやってくるかもしれぬチャレンジャーを待っていることを見てしまったヒトからすれば

『本気でヒトを採る気はあるの?』

と、思う事だろう。いや、実際にそう物言いがついた(*´ω`)
そこで、このコピーも大幅に変えざるを得なくなった(いわゆる普通のテイストに戻した)

また登山で言うならば、こうだ

『登山は大変ですが、山を登っていると心が澄んでいくことを感じますよね^^』
『苦難を乗り越えて、登り詰めた山頂から見つめる景色は素晴らしいんです!』
『だから、、一緒に登ってみませんか?』

・・・なーんて誘い文句で呼び掛けたものだから
『私も登ってみたーい』って思ってくれたヒトは劇的に集まった。

それこそ経験の有無も関係なく、タフネス備えたヒトもナイーブなヒトも関係なく。
“そもそも薬局ってどんな仕事をするんですか?”ってヒトでも来た!
(ΦωΦ)フフ…いいね、喜んで説明させていただきたい

だがしかし
それでも“山が山であること”には何らかわりない。
医療では何か一つ重大な間違いがあれば、何か一つ気を抜けば死人が出ることに変わりはしない。

確かにキャッチーなコピーに変えれば応募者の間口は拡がった。
今までに無いタイプのヒトともこれから一緒に仕事ができる、それはそれで非常に楽しみだ。
しかしそれで本当に“事故”が起きてしまっては元も子もない、、
それがいつもアタマにちらつく


でも今はまだ、始まったばかりで答えは出ない。
もしもいつかまた、“この山は怖いところです・・・”と始まる求人の文言を見かけることがあれば、
【あぁ、答えが出たんだなぁ】
と思っていただければ幸い!

posted by うたまろ at 02:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 活動日誌
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