つい先日、保津峡の急流下りにおいてまたも死亡事故が起きてしまった
まずは亡くなられたお二人にお悔やみを申し上げる
ここ京都ではもはや景色の1つとなっている保津川下りだけれども、一度の事故で二人も死者を出してしまったとあれば
「急流下りに新たに規制を設けるべし」
といった議論は避けて通れないだろう
タイトルにある「安全のためのルールは血の文字で書かれている」という言葉には
安全規則とは単にお飾りの文ではなく、その一つ一つがそれが設定される前に起きた凄惨な死亡事故を教訓にして作られたものであることを肝に銘じよ、という戒めが込められている
我々が今日を安全に生きられるのは先人たちの屍によって固められた道と、先人たちの血で書かれた道標があるおかげである…
そこに気づくことが出来れば、先人らの尊い犠牲は決して無駄ではなくなる
話を戻す
聞くところによれば、この急流下りは“動力を持たない舟”が用いられているため、一般的な船舶にあるようなルールが適応されないのだという
それによってかは知らないが、船頭さんはプレート式のライフジャケットではなく腰に巻きつけて有事にヒモを引いて展開するような簡易なライフジャケットを身に着けている程度であったという
コレは万が一のときはヒモを引くことでエアバッグのように膨らむ代物らしいが、そもそもライフジャケットが必要になるような局面で、冷静にヒモを引けるのだろうか?
自分には自身がない
これがもし一般的なライフジャケットを装着しなければならないとされていたら、助かっていた道もあったのではないか?
あるいはそもそも急流下りなんて認可していなければ誰も死ななかったんじゃないか?…といった
意見は出て然るべきところ
さてどうなるのか
もしこれが医療事故対策であるならば
たとえ“万が一”であるとしても中止とせよ、となる可能性が極めて高い
“万が一”は数字で表せば0.01%となり、通常の物事においては無視してよいレベルの低い確率だ
しかし医療事故対策では「万が一にでも起きてしまうことは100パーセント起こる」という考え方でリスクを管理する
なぜならば医療における「万が一」はおおよそ死を招くものだからだ
そしてそれは自然というヒトにはどうしようもないことを相手にする保津川下りもおなじではないか
これが地域にとっての伝統であるし、生計を立てているヒトがたくさんいることも知っている
しかしそれでも人命損失には勝てないじゃないか…
時間はかかるだろうけれども、絶対に人命が脅かされない運航ルールが適応されることを願うばかり
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